令和哲学カフェではカントを強く勧めています。彼一人を深く理解することで、全ての哲学者たちと哲学的概念の理解が早くなるし、とても分かり易くなるからです。
今日は、カントの時代背景について書き綴ります。
日本からはイメージしにくいかも知れませんが、西洋はキリスト教の影響が非常に強いです。国家よりもキリスト教の勢力の方が大きいという見方もあるくらいです。
カントが生きた時代は、絶大な勢力を誇っていたキリスト教と共に、科学に人気が出始めて科学万能主義へと向かおうとする頃でした。
キリスト教が教える宇宙自然の現象よりも科学が教える宇宙自然の現象の方が、より広い範囲で説明し、あらゆる疑問に対して答えを与えてくれるものだったからです。
科学を理解すること。
人生が変わる。
社会が変わる。
今風に捉えたらそんなところだったのかも知れませんね。既にキリスト教の魅力を上回らんとする勢いとなり、科学の中でも分野が分かれてくる頃でもありました。
またそれは、哲学と科学の関係も似たようなところがあり、科学に人気が出るに連れて徐々に哲学の立ち位置や影響は縮小していきます。
科学万能主義に向かうところです。
哲学にしても科学にしても共通にして求めるものがありました。それは真理とは何か?真実とは何か?それを知りたいということ。
ただ、本当に分かることが出来るのかどうか一抹の不安が過ります。
カントはそこに終止符を打ちました。
カントの大きな功績の一つです。
まだあります。
ちょうどこの頃、2つの主流の考え方がありました。それらがどうも対立しやすいのです。
一つは、経験を大事にする傾向。
実験して確認することで真理、真実に近づいていくというスタンスです。
もう一つは、合理性を大事にする。
経験しなくても数学的に分かるというスタンスです。先験的に真理、真実は分かると見ています。
平和であろうとしたら、この2つの主流となる考え方に整理整頓が必要でしょうし、哲学、科学、宗教の間柄も仲良くしておきたいものです。
カントはここにも大きな貢献をします。
それまでハッキリとしなかった世界を明確にしたカントは、それまでの哲学にも、その後の哲学にも、大きな影響を与えることとなります。
いつも読んで下さってありがとうございます。宜しかったら別の記事もお読みください。
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